横浜中華街で「廟(神仏を祀る寺院)」と言えば、商売の神様であり三国志でも知られる関羽を祀った「関帝廟」が有名ですが、それと並んでパワースポットとして多くの方を惹きつけているのが、今回ご紹介する「媽祖廟」です。

媽祖廟は、東側の大通り・南門シルクロード沿いにあります。祀られているのは、千年ほど前の宋時代に実在したという「媽祖」という女性です。ある日、うたた寝をしていた媽祖が母親に起こされると、夢で父や兄弟を海難事故から救助していたと言いました。帰宅した父や兄弟に聞くとその通りで皆を驚かせたそうです。この逸話から、のちに航海安全の神様として崇められることとなり、次第にあらゆる苦難に応える神として広く信仰を集めるようになりました。

媽祖廟には、媽祖の他、文昌帝君(学問)、臨水夫人(安産)、註生娘娘(子宝)、福徳正神(金運)、月下老人(縁結び)が祀られています。正にご利益のオールスターキャスト、「媽祖廟」にお参りすればいろんなお願いができますね。その中でも多くの女性達の支持を得ているのが、縁結びの神様・月下老人様です。人と人の良縁をつなぐこの神様は、恋愛関係はもちろん、家庭や仕事での関係などを良い方向へ導いてくださいます。

お参りはお線香と金紙をお供えする形です。神様ごとに用意された香炉で順番に線香を焚き、金紙をお供えする際に心で願い事を唱えます。最後に金亭という場所で金紙を燃やして神様へ捧げます。恋愛成就を願う女性の間で人気なのが、可愛らしいピンクの縁結びのお守り。中には良いご縁を結んでくれる赤糸と祈念縁紙が入っています。授かったらお線香の煙にくぐらせて三回お守りを回しましょう。そうすると、お守りのパワーが最大になると言われています。

媽祖廟では、毎年7月7日の七夕の日に「良縁祭」が催されます。年に一度の縁結びの日として、良縁に恵まれることを月下老人様にご祈祷する儀式が行われます。愛らしいお守りやカードが付いた霊験あらたかな「良縁セット」も購入できますので、今年の七夕は媽祖廟を訪れてみてはいかがでしょうか。